歯を削らないむし歯治療 「カリソルブ・ペリソルブ」

歯科医院に怖さや及び腰を感じてしまう原因は、何といっても、独特のタービン音にあるだろう。それは「痛さの象徴」として、我々の脳裏に深く刻み込まれている。しかし、最新の歯科技術によれば、むし歯に侵された部分だけを薬品で溶かすことが可能になったという。そこで、話題のカリソルブ治療について1,000 例以上の実績がある「医療法人財団興学会 新橋歯科診療所」の院長、白井先生に、削らない治療の心髄を説明いただいた。

この記事の監修者

名前 白井 清士 Kiyoshi Shirai
プロフィール

医学博士。1979年、日本歯科大学卒業。83年、東邦大学医学部薬理学入局。87年、医学博士号取得。
2002年、医療法人財団興学会理事長、興学会新橋歯科診療所院長に就任。現在、興学会新橋歯科診療所院長。

薬品でむし歯を溶かすというカリソルブ、健康な歯への影響はないのでしょうか?

その心配はありません。カリソルブで用いる薬剤には、むし歯を溶かす「次亜塩素酸ナトリウム」と、健康な歯への影響を抑える「アミノ酸」が含まれています。この組み合わせによって、ねらった患部へのピンポイント治療が可能となっているのです。この方法が開発されたスウェーデンでは1998年に認可され、日本国内でも2007年に厚生労働省から認可が降りました。国が認めた治療法ですから、「安全」と考えていただいてよいのではないでしょうか。

カリソルブが有効なのは、神経に達していないむし歯、専門用語でいう「C2」までに限定されます。神経が侵されていると、その周囲の根管も治療する必要があるからです。そうではなく、痛みを感じない程度のむし歯であれば、選択肢のひとつとして考えたいですね。もちろん、治療中の痛さもほとんど感じません。また、治療後に詰め物ができる部位、つまり「咬み合わせ面の虫歯」に適しています。前歯の横側などにできたむし歯でも施術できなくはないのですが、補てつ物で形を整える際、接着力を高めるために削る場合があります。

麻酔を使わずとも施術できるため、体への負担が心配される未就学児や高齢者、または麻酔が合わない体質の方でもご利用いただけます。

端的に言うと、「削る」か「溶かす」かの違いなのでしょうか?

そうとも言えません。両者の違いは、予後の経過にも関係してきます。削る治療で悩ましいのは、不十分だとむし歯菌が残り、削りすぎると健康な部分も失ってしまうことでした。この見極めを人間の目や手でおこなうのは難しいため、結局、いずれかにならざるを得ないのです。実際、治療が終わった後にむし歯が再発し、詰め物の奥で神経を侵襲する症例も散見されています。

その点、薬品なら、科学の力に任せられます。ただし、ごく微量なむし歯菌が残ってしまう可能性は考えられます。カリソルブの治療後は、詰め物自体に殺菌力のある「ドックベストセメント」を併用するといいでしょう。象牙質を再生させる働きも期待できますから、歯の神経を残せる可能性が高まります。再発リスクを抱え続けるのか、科学の力でそれを封じ込めるのか。完全とは言い切れないものの、かなりの割合で再発防止を期待できるのが、カリソルブの特徴です。

むし歯以外への応用は可能ですか?

カリソルブとは異なるものの、同様な「溶かす」という考え方をした治療方法にペリソルブというものがあります。これは歯に付着した歯石を溶かす薬品です。ペリソルブ最大の特徴は、菌に侵された部分の上皮細胞を殺菌できることです。P.ジンジバリスなどの歯周病菌は、歯周ポケット奥の上皮細胞中に多く入り込んでいることが近年明らかになっています。歯面だけではなく歯周病菌に侵されたポケットの皮膚を一枚殺菌することにより、歯周病に対して今までにない大きな効果を上げることができる革命的な治療法として、インプラントを中心にさまざまな研究成果が今後発表されていきます。抗菌効果が長く続くことから、予防的な治療にも欠かせないものになってくると思います。一歩進んだスウェーデンスタイルの歯科治療です。

重度の歯周病ともなると、いわゆる歯周ポケットの奥までガッチリ歯石がこびりつき、スケーリングするのもひと苦労でした。症状によっては出血を伴う場合もあります。それくらいガリガリやらないと、除去しきれないのです。

ペリソルブを使えば、科学の力で溶かしてくれますから、誤って傷をつけるような心配はありません。細菌が体内に侵入することも防げますし、衛生的な方法といえるのではないでしょうか。歯周病の怖い点は、歯を失うことのリスクと、歯周病菌が体内に入り込んで悪さをすること。治療行為そのものが感染リスクを高めるとしたら、本末転倒になってしまいますよね。

全身の健康管理を考えるのなら、人的なガリガリに頼るのではなく、科学の力を利用すべきです。これが、カリソルブとペリソルブに共通した理念といえるのではないでしょうか。

カリソルブ・ペリソルブ3つの特徴

特徴①むし歯を削らない

悪くなった部分だけを、効率的に溶かして治療。

 
特徴②再発の可能性が低い

微量のむし歯菌が残存しても、ドックベストセメントで根絶。

 
特徴③歯周病治療にも有効

歯垢や歯石を溶かすペリソルブなら、安全な除去が可能。

【監修医院紹介】医療法人財団 興学会

医院名 新橋歯科診療所
住所

〒105-0004
東京都港区新橋6-2-1 木村ビル1F

TEL 03-3437-3880
アクセス  JRほか「新橋」駅より徒歩8分
URL www.kougakukai.com
医院名 赤坂歯科診療所
住所

〒107-0052
東京都港区赤坂5-5-18 オースピス赤坂1F

TEL 03-3583-1818
アクセス  東京メトロ千代田線「赤坂」駅より徒歩3分
URL www.akasakashika.com